機器一覧

これまでに使用してきた機器の一覧です(徐々に更新していきます)

2014/4/13更新


 分光光度計や遠心機など,おなじみの機器ですが,僕の使っていたのは相当古いものばかりでした.しばらく更新していませんが,機会を見つけて更新したいと思います.


1. 分光光度計
2. 蛍光解析
3. 遠心機
4. 擂潰(らいかい)機
5. 蛍光分光光度計



1. 分光光度計

 分光光度計とは,溶液などがどのくらい光を吸収するかを調べるための機器です.光学的な原理と電気的なシステムを解説するだけで数冊の本が書けるくらいの内容なので,そこは割愛します.

日立200-10型分光光度計
 ダブルビームの分光器で,レコーダーを取り付けて自記分光計として使用します.以前はシングルビームの日立134型の分光器もあったのですが,こちらは解体して下にある自作の蛍光測定器の部品に転用しました.手作りだといろいろと不要になってしまった部品を転用できて良いです.

日立200-20型分光光度計
 こちらは,上記の分光器の測定表示部分がデジタル表示になったものです.少し進歩でしょうか.
 
日立556型二波長分光光度計
 こちらは非常に思い入れのある分光器で,これがなければP-700の定量や系II反応中心の定量(C-550の定量)は出来ませんでした.この分光器は日立356型という日本製二波長分光光度計の最高傑作の後継機といったところでしょうか.356型分光計は国内でもいくつかの研究室で現役として働いていますが,もう部品がないので大事に使ってくださいね.556型はフォトマルの位置を変えられるので,濁った試料や散乱の多い試料などの測定も可能でした.たくさんのアタッチメントがあり,液体窒素での測定を可能にするものや電気泳動ゲルをスキャンするための部品,反応速度を解析するためのラピッドミキシングのアタッチメントもありました.現在,国内のメーカーでは二波長分光光度計の生産は行われておらず,非常に残念です.どこか作ってくれないかなと思っています.古い機械はそれなりの利点がありますが,こちらも自作するしかないのでしょう.


2. 蛍光測定

 クロロフィル蛍光を解析する場合,現在ではWalz社のPAMシリーズやPSI社のFluoCamなどのパルス変調型のものは一般的ですし,それしか知らない人も多いと思います.それらが発売される前は自作でした.このおかげでPAMの原理を比較的容易に理解できました.
 光電子増倍管(フォトマル)には浜松フォトニクスのR928,モノクロメーターにはBosch-Lombのモノクロメーターを使っています.データの取り込みには理研電子のトランジエントレコーダーを使い,理化電機のレコーダーに書き出したチャートをデジタル化してDOSパソコンで解析していました.つい最近までPSII heterogeneityの測定に使っていましたが,諸事情で廃棄しました.組んでいた時の写真


3. 遠心機

 遠心機は誰でも使う分離分析器です.
 佐久間遠心機―この遠心機は昭和50年ころのものです.最近の遠心機はコンピューター制御で設定してスタートさせればすべてやってくれますが,僕が使っていたものはまだ可変抵抗で電流を調節し回転数を調節するタイプです.それにタイマーは50Hzと60Hz地域で時間設定が異なっています.カーボンブラシの交換も自分でできるので,遠心機のメンテナンスは一通りマスターできました.また回転数と遠心力の関係も自分で計算しないといけないので,一通りの勉強もできました.


4. 擂潰(らいかい)機

 正式には石川式攪拌擂潰機といいます.かまぼこのすり身を作るときの機械です.ホウレンソウやコマツナあるいはシロザからチトクロームfや水溶性クロロフィル蛋白質を抽出する時に葉を大量に使うのですが,そのときこのすり鉢の中に葉と緩衝液をいれて磨砕します.今では遺伝子からアミノ酸配列を調べて大腸菌に蛋白質を作らせていますが,以前はこのような機械で葉などを大量に磨砕し,そこからカラムクロマトを使って地道にタンパク質を抽出していました.時間がかかりますが,のんびりした中にもゼミの準備をしたり,みんなでいろいろ話し合ったりして過ごす時間は楽しいものでした.今は何時間も研究室に缶詰にさせられ,結果を強いられており,こういう自由な雰囲気はなくなっている感じがします.


5. 蛍光分光光度計

 蛍光分光光度計は,励起波長を固定して蛍光スペクトルを測定したり,蛍光波長を固定して励起スペクトルを測定したりする機器です.
 常温で測定することもありますが,よりシャープなピークを得るためには液体窒素温度(77K)で測定します.そのため,魔法ビンを使って液体窒素を入れ,そこへサンプルを浸して凍結させてスペクトルを測定していました.写真の機器は理学部共通機器だった日立850型蛍光分光光度計です.
 77K蛍光スペクトルのデータをBASICで作ったプログラムでNECの古いコンピューターに取り込ませ,コンピューターでピークフィッティングによりクロロフィルフォームに分ける解析をしていました.